どんな問題が出るの?
abc/EQIDENではどのような問題が出題されるのか?
ここでは本大会の出題傾向と、大会が設立当時から掲げて来た「基本問題No.1決定戦」というコンセプトの内容をご紹介します。
どんな問題が出るの?
クイズという競技・遊びの内容は非常に多種多様です。abc/EQIDENが掲げている「基本問題」は、それらの多様なクイズ全てにとっての基本という意味ではなく、「これからクイズを始めてみたい」「早押しクイズで勝負してみたい」という方々が取り組みやすいような、最初に触れるうえで勧めやすいものとして作成しています。
このことについて、「はじめての方へ」のページでは、「基本問題」を「日常生活に根差した知識や、学校・職場で学べることをもとに正解できるような」問題と説明しています。より具体的には、難易度に一定の上限を設けた上で、様々な物事を題材に問題を出題します。たとえば、次のようなタイプの問題が挙げられるでしょう。
日々見かけるもの = 生活系問題
今流行のもの・人、政治経済知識 = 時事問題
小・中学校や高校の授業で習ったこと、教科書に載っている情報 = 学問系問題
スポーツ、芸能人、各種アクティビティー = 趣味系問題
このように、当日はいわゆる「常識」と呼ばれるような事柄や、詳しい人ならすぐわかるような問題も出題されます。クイズと言うと「難問」をイメージする方もいるかもしれませんが、abc/EQIDENでは決してそのような出題ばかりをするわけではありません。「実際に早押しクイズをしたことはない」「クイズ大会を観戦するのは初めて」という方でも、これまでの経験をもとに答えられる問題がいくつか、もしくはいくつもあることでしょう。
どんな問題が出たの?
それではここで、実際に過去出題された問題を見てみましょう。例題として、abc the19thの早押しラウンドで使用した第1〜10問と、その答えを掲載します。
<問題>
「ABC」や「ARC」といったプログラミングコンテストを開催する、日本最大の競技プログラミングサイトは何でしょう?
イギリス捕虜兵が造り上げる鉄橋を通じて「戦争の矛盾」を描いた、デヴィッド・リーン監督の映画は何でしょう?
日本における漁獲量は2年連続で過去最低を更新している、漢字で「秋の刀の魚」と書く魚は何でしょう?
童話『シンデレラ』で、シンデレラにかけられた魔法が解けてしまう時刻は何時でしょう?
特徴的な屋根の形は貝殻やヨットの帆にたとえられる、シドニーのランドマークとなっている歌劇場は何でしょう?
「秋のわくわくプレゼント」や「春のパン祭り」といったキャンペーンを毎年行っている食品メーカーは何でしょう?
精錬の過程で大量の電力を必要とすることから「電気の缶詰」という別名がある金属は何でしょう?
たくさんの人で混み合っている様子を、ある食べ物の名前を使って「何を洗うよう」というでしょう?
スペインの闘牛で、牛にとどめを刺す主役の闘牛士のことを何というでしょう?
寝殿造(しんでんづくり)や仮名文字の使用に代表される、平安中期以降の文化を何というでしょう?
<答え>
AtCoder(アットコーダー)
『戦場にかける橋』
サンマ
午前0時
オペラハウス
山崎製パン
アルミニウム
芋(を洗うよう)
マタドール
国風文化
いかがでしょうか? 「何も分からない難問」ばかりではなく、聞いたことがある物事・身近な題材に関する問題もあるんだなと感じていただけたと思います。最後まで読んで落ち着いて答えれば、半分以上正解できたという方もいるのではないでしょうか。
そしてもう一つ、abc/EQIDENは「早押しクイズ」の大会であるということも忘れてはいけません。問題文を途中までしか聞けないとなると、正解するのは途端に難しくなります。たとえば、第3問の「サンマ」。漢字の書き方まで聞けば正解できる人でも、前半部分(漁獲量)の情報だけでボタンを押すのはなかなか大変です。皆さんはどうでしたでしょうか。もしかしたら、たとえば日頃からニュースによく触れている人であれば、読みながらより早い段階でピンときたかもしれません。
このように、abc/EQIDENの早押しクイズでは、限られた問題文の中で「その物事について広く/深く知っているか」によって差がつきます。ニュースに限らずあなたがよく知っていることであれば、ステージ上の選手たちにだって競り勝てるのが早押しクイズです。これこそ、この形式の大きな魅力の一つと言えるでしょう。観戦の際は、是非自分も参加者となっている気持ちで問題を聞いてみてください。
※ここで挙げた例題の10問はあくまで一部の抜き出しであり、他の箇所を読んでみると印象が変わってくるかもしれません。abc/EQIDENが他にどのような問題を出しているか読んでみたいという方は、是非こちらもご覧ください。
問題の準備について
abc/EQIDENでは幅広い出題を担保するために、使用問題を大会参加権のない方からご提供していただくという準備方式をとっています。そして、いただいた4000問もの提出問題をもとに、出題チームの手によって問題の追加・ブラッシュアップが繰り返され、最終的な出題問題群を作成しています。
問題提出者も出題チームも毎年少しずつ顔ぶれは変わっていますが、「広く/深く知っているか」を早押しクイズとして問うことができる問題の作成を続けています。
「基本問題No.1決定戦」=「基本問題」+「早押しクイズ」の勝負に挑む
abc/EQIDENの当日は、クイズに取り組んできた学生たちがこの「基本問題」へ挑みます。頂点を決める戦いは非常にハイレベル。問題が読まれれば何人もの指先が一斉に動き、時には0.01秒が分かれ目となる解答権争いが続きます。1問1問の攻防には対戦相手との駆け引きも要求されるため、選手たちは状況に応じた一手を打ち続けなければなりません。こうして、非常に見応えのある追い・追われの激戦が繰り広げられます。
しかし、そんなレベルの高い勝負も、「基本問題」という出題方式を通じて一人ひとりの生活と地続きになっています。観戦しながら時に正解が早くわかったり、わかるからこそ選手の凄さがより実感できたり……テレビ番組などとはまた違った形でクイズの勝負にのめり込めるのも、abcならではの良さと言えるかもしれません。
勝負に必要なのは、知識、推理力、判断力、反応速度、……そして、誤答の恐怖に打ち勝つ勇気。当日は、その魅力を少しでも多く皆さんに伝えるべく、勝負の展開を追いながら「早押し」や「駆け引き」の内容について実況解説を行います。abc/EQIDENの問題が、大舞台での勝負を通じて早押しクイズとして真に完成する瞬間を、是非見届けてください。
(この文章は2022年3月5日に公開したものです。)